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「食べ始めからスープとパフェを交互に食べるのいつみても慣れないはね」美空が野乃に言った。
「美空はお嬢様で育ちがいいからね」美空はちょっとむっとした表情をした。
野乃は気にせず「この冷たいしょっぱいスープとパフェが合うのよ、うちの人魚ちゃんも喜んでるもの」ねーっと自分の手に話しかける。野乃の体の中には、野乃の体が傷ついた時に治してくれる人魚が住んでいる。普通の人にとっては毒であるものも野乃の体には関係のない話であり、全てを浄化してくれた。そういうものを鰯ケ島家の女は、代々受け継いでいる。人魚が住んでいる間は不老不死。その代わり、燃費が悪いらしく代々人魚を体の中に住まわせた女性は大食いであった
このおいしさを教えてあげるはと言って、野乃はビジソワーズを美空の口の辺りに運んだ。美空は素直に口を開けてそれを味わった。冷たいジャガイモの少し重さを含んだスープの触感とクリーミーなしょっぱさが口の中に広がる。野乃は更にイチゴとクリームとアイスが乗ったスプーンを持って行って美空に食べさせた。睫毛のくりんとして人形みたいな美空の大きな目がさらに広がる。「うん、おいしい」と口に手を当てながら言った。
「でしょー」と言って、野乃はどうだと言わんばかりの得意げな顔をした。もう一口とパフェにスプーンを伸ばした美空の手から野乃はパフェのグラスを救出した。けちと言って、美空は行き場を失って彷徨ったスプーンを自分のホワイトチョコレートのチーズケーキに突き立てた。
DBが立ち上がりバーカウンターに向かいながら、「何か飲みます?」と二人のオーダーを取った。
「オレンジジュース ,果汁100%のやつね」
「アイスコーヒー」
バーカウンターの中に入り、下にある白い冷蔵庫からパックのオレンジジュースとアイスコーヒーを取り出して、アイストングで氷を二つのグラスだけに入れる、DBは氷の入ってないグラスにオレンジジュース、氷の入ってるグラスにアイスコーヒーを注いだ。それを見ていた野乃が「そういえば、オレンジジュースといえば最近CMで出てる、フランス人の俳優いるじゃない、『ジャンヌダルク』とか『オーシャンズ12』とかに出てた俳優、うちのゼミの教授あの俳優大好きなのよあれがオンエアされたときすごい興奮してたは」
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