ミッドナイトナタリー

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「日本でいうと阿部寛みたいな感じなのかしら」 「そうかも、でね、その教授、クイーンのフレディ・マーキュリーも好きなのよ、講義中なのにMVを流してくれたの、なんだっけ…そうだ『レディオ・ガ・ガ』」 「大学の授業って自由でいいはね」 「それも講義の一環よ、なんかこう共通する部分が男っていうよりもオスって感じがいいみたいなのよね、胸毛がもっさりというかそういうところにそそられるみたい」 「それは気になりますね」DBが二人の所に飲み物を置いて会話に入ってきた。 「DBって男の人も好きなのですか?」美空が食い気味に聞いてきた。 「いえそういうわけじゃないんですが、オスという部分に」 「スキンヘッドで線が細いDBからしたら真逆の人種じゃないの」野乃がDBの頭を見ながら言った。 「前にナタリーさんに<貴方には野生が足りないは>って言われたんですよね、たまにその言葉が引っかかることがあるんです」 「野生ね」 「野生か、じゃあ頭にアフロのカツラ被って、胸毛生やしてそれを見せつけるような服を着てみたらいいんじゃないの」野乃と美空はその姿を想像して、大笑いしていた。 「たぶん見た目の話じゃないと思うんですよね」DBは二人から目線を外して椅子で舟をこぎ天井の淡いオレンジ色の電球を見つめた。 「手始めにさ、スキンヘッドやめてみればいいじゃない」 「僕はスキンヘッドが好きなわけじゃないんです、自分で頭を剃るその行為が好きなだけで結果としてこの頭になってるだけなので」 「どういうことよそれ」 「まず鏡に映った自分の顔を見つめて、蒸しタオルで頭を巻きます、剃刀を研いで、シェービングムースを付ける、そして剃るという一連の行為が好きなんです」
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