ミッドナイトナタリー

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野乃と美空はそういうところが野生がないと言われるとこではなかろうかと思ったが、これ以上面倒くさい会話を続けたくなかったのでなるほどと言って、わかった振りをして残りの料理を食べ始めた。料理が綺麗になくなってきたころに、制服を着た菫台沙織が、従業員用のドアを押して開け、腰の辺りに手を掛けスカートの位置を調節しながら3人が居るテーブルに向かってきた。DBは自分の腕時計を見て、もうそんな時間ですかと言った。沙織は慣れた手つきでテーブルの上の皿を腕に重ねていく。野乃と美空がありがとうと言うと笑顔で答えた。テーブルの皿やナイフ、フォーク、スプーンを片付けた後、3人が入ってきた客用の大きな木のドアを開けて固定した。 「そろそろ帰りますか」DBが言った。三人は立ち上がり、またねと沙織に声を掛け客用のドアの外に出た。階段を降りるときに、ナタリーが情報屋のメアリーと話しているのが見えた。ナタリーに封筒を渡している。現実世界に紛れ込んでいる化生や八十神関連の情報を持ってきたのであろう。クリームグリーンのおかっぱ頭の女の子。ただ本人は情報屋と言われるのが胡散臭さと低俗な感じが凄く嫌ということで壁屋メアリーと呼ばせたがる。彼女の情報屋としての腕は一流であり、名うてのハッカーでもある。彼女曰く「私の前ではパソコンやスマホなんて素っ裸でネギ咥えてるようなものよ」らしい、彼女がここにいるということは、こちらの世界の仕事を持ち込んできたのかもしれない。  エントランスを降りて、二人に軽い会釈をすると向こうもこちらに軽く手を振った。外はまだ太陽の明かりが少しばかり残ってるような空の色であった。駐車場に出ると、黒い高級車が止まっていてその横に黒いスーツを着た、背格好も顔つきも髪型も瓜二つの双子が立っていた。霧谷家の分家の家柄である、日数と月数が3人の迎えとしてやってきていたのである。  ドアを開けてもらい、3人は乗り込む。中世の城のようなミッドナイトナタリーがライトアップされ、英字で書かれた看板を横目に店を後にした
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