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「いろいろ、問題がなくもないんだけど。わたしとしてはあいつに結婚してほしいのよね、いつか将来的に」
「…はぁ」
ちょっと、思わず引く。それって。…どういうこと?
わたしの表情を見てとって、早月さんは口早に慌てて付け加えた。
「違う違う、ミルクちゃんをそのお相手に…って目論んでるわけじゃないよ別に。もちろんそうなったらそれはそれでいいかなとは思うけど。でも、主眼はそこじゃなくて。あのね、あの子、コミュ障なのよ。重度の」
「ああ。はい」
普通に頷く。それはそうでしょうね。というか。
わたしでも見てわかる。…かも。
早月さんは肩を竦めて手慣れた仕草で灰皿に灰を落とした。
「まあ、誰が見てもわかるレベルだよね。とにかく他人が駄目で。同じ部屋に人がいるのも苦手なのよ。家族でもあまり長い時間は無理、蕁麻疹がぶわっと出てくることもあるくらい」
「それ。…コミュ障とかいうレベルじゃないかも」
思わず唖然として口を挟んだ。
「わたしもコミュ障って意味では大概ですけど。身体症状が出ちゃうのはちょっと。…お医者さんに診てもらった方が」
早月さんは再び横を向いてぷかぁ、と煙を吐いた。
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