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「うわぁ、素敵すぎだろ」
なんですか、この神絵。さすが神様。絵はマジで素晴らしいよ。絵はね。あのグイグイ迫り来るバリタチ感がなければ。
「……何が?」
「うわああああああ!」
びっくりした。俺の大きな声が誰もいない休憩室に響き渡ってしまう。叫び声を上げた口からぽろりと心臓が飛び出ちゃうかと思った。
「もおおお! なんだよ! びっくりさせんな!」
「お前がうっとり顔で素敵なんて呟きながらスマホ眺めてるから、俺の写真かと思ったのに」
「!」
見てたのは、ヒナさんの昨日SNSに上がってたラフ絵だ。テレビ見て滾って描いちゃったんだって。落書きですけどーって言ってるけど、俺にしてみたら、神絵なんですけどーだよ。本当に。
そしてそんな俺を見て「あ~ぁ」なんて、意地悪な溜め息をわざとついたのは、穂高だ。
「待ったか?」
「ううん。へーき」
「ヒナさんに見惚れてたもんな」
「ちがっ! 絵だろ! 絵っ!」
俺の、彼氏。
「はいはい」
「んなっ」
もう付き合って、半年以上たつ。
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