2 地獄へいらっしゃい

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「お世話になっております。大変申し訳ございません……はい。はい」  小気味いい革靴の足音と凛とした声。 「はい……その件でしたら、先日」  土屋だ。 「もうひとり、同期いたっけな」  土屋がハキハキと電話越しに受け答えをしながら、急ぎ足でどこかに向かうところだった。 「けど、あそこは次元違う感じだよなぁ」 「……」  颯爽と歩いていくその後ろ姿はたしかに、次元が違う気が……してた。 「そう?」 「須田?」 「んーん。なんでもない」  けど、あいつ、あんな飴ちゃん持ってるんだぜ? って、独り言を胸のうちでだけ呟いた。福田は何でも話せる同期なのに、なんでだろう。なぜか、このことはまだ内緒のままにしておきたいと思ったんだ。
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