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それからユウイは男に云われるままに、お勤めをして、粥と野菜の汁を啜って、水風呂に浸かって、日々を過ごした。
「ハンバーガー食べたい」
「いけません」
「ピザが食べたい」
「いけません」
「チョコレートパフェが食べたい。それならいいでしょう、」
ほんの子どもだった時分、好物だったものの名前が、不意に転げ出た。
「いいえ、いけません」
このようなやりとりにも飽きて、自分の躰がだんだんと、水晶のようにきよらかになっていく実感がした。
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