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私が死んだ理由――を手紙とした。遺書ってやつだ。そういう言い方だと何か年寄りみたいに思えてくるから手紙としておく。
ここまできて何を考えているんだろうと私は苦笑いした。まだ笑えるんだなと思うとまだまだ何かを考えたくなる。
ふと部屋の中を見渡した。
あの時買ったぬいぐるみ、あの時あそこに置いた部屋の飾り物。
目に入るもの全部が、どうしてそこにそれがあるのかを思い出して、懐かしいし、悲しいし、なんだか嬉しくもなった。
しかし――あとは――。
「それでいいのかね?」
突然背後から声がした。
ビックリして私は部屋の中を背後まで見回した。
誰もいない。いるはずがない。でも?
「自殺というものはこの世の辛さから解放される手段ではない。それは死ではない。それはこの素晴らしい世との永遠の別れの事である。来るのは辛さだけが繰り返される無間地獄の世界なのだ」
「誰!?」
思ったより大きな声が出た。
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