2018年6月17日日曜日

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この国がなんでオモロイか言うたら、圧倒的にチャラい信仰心のくせに、あらゆるものに神様が存在してると言われていること。それも昔から。 その結果、結構近しい感じてくれてるんかもしれんなあとは思うけど。 * 「靴のまま椅子に上がったらあかんよ、椅子の神様が泣いてはるよ」 ハンバーガー屋のモーニングセットを食べていると、隣のテーブルから聞こえた。 「椅子の神様て、どんなヒト~?」 おばあちゃんと、ひ孫か? 靴を履いたままの足を、座ってブラブラさせながら小さな女の子が言った。 神様、ヒト型限定ちゃうしね。 動物なったりもするしね。 そもそも命体験のために変身してへんときは、物体化してへんしね。 「心が綺麗な神様なんよ」 おばあちゃん、なんかアヤフヤな解答やけど、逃げ言葉の(かがみ)やな。 「なんで心がキレイのぉ〜?」 「座らせてくれはるやろ。ミヤちゃんも、ばあちゃんも、誰でも。どうぞどうぞて。優しいなあ」 「椅子の神様て、オンナのひとぉ〜?」 「どうやろなあ、いっぱい椅子あるから、男の人もいはるやろねえ」 えっ、一脚ずつおると? 神だらけやん。 「ほんだらおばあちゃんの椅子の神様と、ミヤちゃんの椅子の神様が結婚して、新しい椅子の神様が生まれるのぉ〜?」     
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