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この国がなんでオモロイか言うたら、圧倒的にチャラい信仰心のくせに、あらゆるものに神様が存在してると言われていること。それも昔から。
その結果、結構近しい感じてくれてるんかもしれんなあとは思うけど。
*
「靴のまま椅子に上がったらあかんよ、椅子の神様が泣いてはるよ」
ハンバーガー屋のモーニングセットを食べていると、隣のテーブルから聞こえた。
「椅子の神様て、どんなヒト~?」
おばあちゃんと、ひ孫か?
靴を履いたままの足を、座ってブラブラさせながら小さな女の子が言った。
神様、ヒト型限定ちゃうしね。
動物なったりもするしね。
そもそも命体験のために変身してへんときは、物体化してへんしね。
「心が綺麗な神様なんよ」
おばあちゃん、なんかアヤフヤな解答やけど、逃げ言葉の鑑やな。
「なんで心がキレイのぉ〜?」
「座らせてくれはるやろ。ミヤちゃんも、ばあちゃんも、誰でも。どうぞどうぞて。優しいなあ」
「椅子の神様て、オンナのひとぉ〜?」
「どうやろなあ、いっぱい椅子あるから、男の人もいはるやろねえ」
えっ、一脚ずつおると?
神だらけやん。
「ほんだらおばあちゃんの椅子の神様と、ミヤちゃんの椅子の神様が結婚して、新しい椅子の神様が生まれるのぉ〜?」
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