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神様増殖? そんな増殖?
「そうやねえ、神様いっぱいになってくれはったらええねえ」
世界に椅子の神様溢れてもなあ。
そもそも何するん? 椅子の神様。
「ミヤちゃんの椅子の神様、オンナのヒト?」
「どうやろねぇ」
「オンナの人やったら、クチベニしてあげよ!」
女の子ミヤちゃんは、いきなり椅子から降りて鞄からなにかを。
クチベニ持ってるん? ちびっこやのに?
椅子に塗る気?
「男の人かもしれんよ~」
おばあちゃん、ナイスなブレーキ。
「そうかあ」
ミヤちゃん、椅子に落書きはしないですんだ。
ミヤちゃんは、靴を脱いで椅子の上に立ち上がった。
「ママ、おそいなあ」
日曜のハンバーガー屋は長蛇の列。
隣の席のおばあちゃんは、ちょっとウトウトしかけている。
「ママ~!」
そう言って手を振ったミヤちゃんに、お母さんはジェスチャーで座るように伝えている。
おばあちゃんはウトウトしてたのが、ちょっと本格的に眠たなったか? 寝たか?
椅子から落ちへんか?
そう思ったとき、椅子からズレて倒れかけたおばあちゃんを、
「大丈夫ですか? お水貰ってきましょうか?」
そう言った女子高生が咄嗟に支えた。
「すいません。寝てましたわぁ」
おばあちゃんは、恥ずかしそうに笑う。
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