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「しゅう!」
「帆奈!それに由香里!」
帆奈と由香里は、仲よしのクラスメイト。
帆奈はしっかり者、由香里はおっとりしたムードメーカー的存在。
2人は笑顔で私の元へやってきた。
「会いたかったよ、しゅう~」
「うんうん、私も。座って座ってー!」
「交通事故にあって意識がないって聞いた時はビックリしたよ。心配させやがってぇー、このぉ」
由香里がふざけて抱きついてくる。
「ごめんねー。ホント、気がついたら1週間経ってるとか、私もビックリ」
「でも、元気そうでよかった」
「うん、まだ車いすだけど動けるよ」
ホントは、そこまで元気じゃないんだけど。
気持ちはまだ、現実に追いついていない。
それを隠したくて、私は笑顔を作った。
「そうそう、結構授業進んだからねー。ノートとプリント、持って来たよ」
はいこれ、と、帆奈がカバンからノートを何冊も出してくる。
「えーっと、このノートが国語で、こっちが数学…」
「うわ、綺麗……まとめてくれてありがとう! 帆奈のノートはわかりやすいからありがたいわぁー」
「私はねー、これー!」
由香里がカバンから出したのは、寄せ書きの色紙だった。
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