友人は彼女を見破った

3/6
158人が本棚に入れています
本棚に追加
/464ページ
「しゅう!」 「帆奈(はんな)!それに由香里(ゆかり)!」 帆奈と由香里は、仲よしのクラスメイト。 帆奈はしっかり者、由香里はおっとりしたムードメーカー的存在。 2人は笑顔で私の元へやってきた。 「会いたかったよ、しゅう~」 「うんうん、私も。座って座ってー!」 「交通事故にあって意識がないって聞いた時はビックリしたよ。心配させやがってぇー、このぉ」 由香里がふざけて抱きついてくる。 「ごめんねー。ホント、気がついたら1週間経ってるとか、私もビックリ」 「でも、元気そうでよかった」 「うん、まだ車いすだけど動けるよ」 ホントは、そこまで元気じゃないんだけど。 気持ちはまだ、現実に追いついていない。 それを隠したくて、私は笑顔を作った。 「そうそう、結構授業進んだからねー。ノートとプリント、持って来たよ」 はいこれ、と、帆奈がカバンからノートを何冊も出してくる。 「えーっと、このノートが国語で、こっちが数学…」 「うわ、綺麗……まとめてくれてありがとう! 帆奈のノートはわかりやすいからありがたいわぁー」 「私はねー、これー!」 由香里がカバンから出したのは、寄せ書きの色紙だった。
/464ページ

最初のコメントを投稿しよう!