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「めっちゃ好きじゃん」
「違うってぇっ!」
「柚木くん、どんな感じか見たーい!」
「いやいや、ホントに。やめてやめて」
私はとにかく2人のテンションを下げようと必死。しかし、2人のテンションは、どんどん上がっていく。
「ねぇねぇ。カフェスペースって、さっきあった自販機のとこだよね?」
帆奈が私に、悪~い笑みを向けてくる。
「柚木くんを見に行こうよ~。まだいるかなぁ」
なんて、ワクワクしているのがバレバレの由香里。
「ちょ、マジでダメだって!」
「大丈夫。ジュース買うふりして見るだけ」
「しゅうは、ここにいていいよ~。私達だけで見てくるし~」
「人の話聞いてる!? ちょっと!! 帆奈! 由香里! 待ってって!!」
私の言葉を聞かない2人は、キャッキャと楽しそうに病室を出て行ってしまった。
独りになった私は話してしまったことを後悔した。
でも、2人が柚木くんをどんな風に思うか気にはなる。
本当は様子を見に行きたいし、見たくない気もする。
2人が帰ってくるまでベッドに転がり携帯を見る。
けどやっぱり、落ち着かなかった。
しばらくして、2人はジュースを手に病室へ帰ってきた。
私はガバリとベッドから起き上がって2人を見る。
「いたよ、柚木くんって子。長テーブルの端に座ってる男子だよね?」
そう言われて少しドキッとしたけど、顔に出さないようにする。
2人は椅子をベッドに近づけて座った。
すっごく、ニヤニヤしてる。
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