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めがみさまのおはなし(CV:女神 坂本真綾/朗読 来宮良子)
それは昔々・・・というより創世以前までさかのぼった太古のお話です。
それはそれは美しい独りの女神さまがいらっしゃいました。
その女神さまはね。
自分でも、美しい自分を好きで好きでたまらなかったの。
だから自分の美しさを隅々まで。
「全部見たい!」
そう想ったのです。
なのでまず最初に三面鏡を作った。
ま、鏡台よね。
ん?
お化粧?
しませんってば。
する必要すら感じなかったのよ。
だって・・・。
「私ってば、そのままで、充分美しすぎるんですもの・・・」
はいはい(笑)
ともかくお化粧するにしたって、最初に自分の素顔を全部余すところなく知っておかなければ、更に美しくなんてなれない訳ですからね。
そんなわけで、作った三面鏡・・・。
当然のことながら、それだけでは気に入らなかったのよね。
だって。
「後ろが見えない・・・」
彼女って、結構お茶目な女神さまだったのかしらね。
じゃあ・・・手鏡でも作る?
いいえ。
手鏡なんて作りません。
なんたって神様。
なんだってできるんですから。
それにそんな手鏡を手に持ったら、今度はその「手」が見えなくなるじゃない?
彼女は、自分の美しさをぜんぶぜーんぶ余すところなく同時に見たかったんですもの。
そして・・・。
「あぁ・・・(ため息)私ってば、なんて美しいのかしら。美しいって罪・・・」
って、ひとりで悦にいるのが彼女の究極の夢だったのよ。
神様って、よくわからないわよね?(笑)
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