841人が本棚に入れています
本棚に追加
でも、指がまるで俺の頭を撫でるように触れていて、ああ、まずいと思った。
河澄が口を離すと唇が涎で濡れていて、自分からしたんじゃないのに恥ずかしくてたまらなくなる。
「好きだ。」
まるでそれがあたり前のことみたいに言われて、思わず嬉しいなんて思ってしまった。
肩口で滲んてしまった涙をぬぐう。
「俺、男だけどいいのか?」
「お前じゃなければ意味が無いから。」
迷いなく真っ直ぐ言われて、大声を出して泣いてしまいたい気持ちになった。
さすがにそれはできないから、そっと手を差し出すと河澄は笑顔を浮かべて手を握ってくれた。
了
お題:続編、主人公の幸せな姿
最初のコメントを投稿しよう!