朝焼けの情景

4/4

836人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
それから、バツンバツンと音が聞こえる位中をかき混ぜられて、痛みと違和感とそれを凌駕する快感にただただ喘ぎ続けた。 * * * 曙色ににじむ朝焼けを見て涙がこぼれる。 今隣で眠っているのが河澄で良かった。 先程まで触れていた手のやさしさを思い出す。河澄はまだ寝ている。 あの時の夕焼けと似た色がしている筈の朝焼けは、それよりずっとずっと幸せに満ちた色をしていた。 俺はもう一度布団に潜り込むと、河澄の胸元に顔を埋めた。 まだ、寝ている筈の河澄は無意識なのだろうか、俺の体に腕を回して抱きしめた。 「河澄、ありがとう。」 それだけで、大泣きしてしまいそうな位幸せだった。 了
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

836人が本棚に入れています
本棚に追加