鈍色の雲

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それから、ゆっくりと一本を吸った河澄は立ち上がると 「それじゃあ、俺は行くわ。」 と言った。 最後まで、馴れ馴れしくした理由は分からなかった。 だけど、この短い時間が妙に惜しくなってしまって 「明日も来ますか?」 と聞いてしまった。 河澄は少し驚いた顔をした後、「まあ、気が向いたらな。」と言った。 俺は「そうですか。」と答えると、それからもう一度空を見た。 相変わらず空は、鈍色の今にも降り出しそうな空だった。 了
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