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 私はあの物語が好きだった。だから完結して欲しかった。でも、必ずしもそれがいい方法ではない。きっと、神様も悩んでいたに違いない。  もう、解放しなきゃ。  私が引き止めちゃ駄目だ。  新しい始まりを――――。 「お願いします。私も眠らせてください」 「うん。じゃあ、手続きをするから。少し待ってて」  男性が立ち上がって、後ろにある書類を幾つか取り出す。それの一つ一つに何かを書き始める。  私は待っている間、考えていた。思い出していた。  主人公たちと一緒に過ごした恋愛小説。神様が作ってくれた、優しくてほのぼのした物語。  いじめ役な私が活躍した第二章。  すごく、楽しかった――――。
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