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「傷ついてはいません。ただ、悲しいだけです」
「それを傷つけられたって言うんだろ?」
「……そうかもしれませんけど。わたしは、気づいて欲しくて」
「じゃあ。あなたが望んでいるのはハッピーエンドね」
もじもじと重ねた手を動かすその子は、私と考え方が違うと思ったのか黙ってしまう。
何か、悪いことしちゃったかな。
「私もずっとハッピーエンドを望んでいたんだ」
何を話そうとしているのか、私の口が止まらない。
「神様ってのは気まぐれでさ。あんたもわかってるんだろ?」
「理解はしてます」
「私らが求めても、願いを叶えてなんてくれない。自分で生み出したくせに、飽きたら簡単に捨ててしまうんだ」
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