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「カナデさん、カナデサキさん。どうぞこちらへ」
教室に現れたスーツ姿の女性が名前を呼ぶ。すると横にいた彼女が立ち上がる。
「はい」
すっかり泣き顔になってしまった。私も同じか。
こんなふうに泣いているなんて、神様は知らないんだろう。考えたこともないんだろうな。
この子みたいにハッピーエンドを願っている人はたくさんいるのに、どうして上手くいかないんだろう。
「行ってらっしゃい。素敵なハッピーエンドを願ってる」
優しい心を持っているうちは、夢を見た方がいい。まだ生きているんだから。
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