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「ありがとうございます。わたし……」
彼女が強い目で私を見つめてきた。それまでなかった表情だから、意外すぎて驚いた。
「神様は気まぐれかもしれません。でも、本当はちゃんとわたしたちのことは覚えていると思うんです。休んでいるだけだって、思いたいんです」
そう思いたい気持ちはわかる。
でも、私は待ちすぎた。誰も信じられなくなってしまったんだ。
神様なんて、一番信用出来ないものじゃないか。
「もし、そうじゃなかったら? 私たちのことを本気で捨てたんだとしたら?」
「……それまでです」
「え?」
「神様がそう決めたのなら、わたしは従うしかないです」
その子は一礼して、そのまま廊下へ飛び出す。
さっきよりも元気になって、何か決意に満ちていた。
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