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「じゃあ、みなさんは? どう解決を?」 「眠るんだよ。時が来たら目覚めるようになってる。とても長い眠りになるかもしれない。だけど、ここにしがみついていても始まらない。新しい始まりが待っていると思えばいいかな」  本当はずっとこの物語の中にいたかった。このまま完結までいくのだと思っていたから、余計に出たくなかった。  この場にとどまっていたいと、そんなふうにずっと思っていた。  多分、私はあの子よりも願いは強かった。この物語を完結させて欲しい。ここで活躍したいって……。 「私の物語の主人公たちは、ここに来たんですか?」 「……来たよ。君が最後だ。よく、頑張ったね」  言われて涙が止まらなくなった。
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