第1章

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 やっぱり神と言ったら和服!のイメージなのかなぁ。……和服ってわりと動きにくいと思うんだけど人間はそうでもないのかな? 可愛いは可愛いけれど。  神たちの姿なんて好みによって変わる。昔を重んじていたり、ただ単にイメチェンがめんどくさいだったりで和服や、その他の姿でいる神もいる。人の姿でいなきゃいけないって決まりもないから、龍とか狐の姿を取る神もいるわ。  でも私は現代っ子な神だからね。ワンピースよ!  にっこり笑顔で私はお賽銭の箱に座っている。お気に入りな底の高い黒いパンプスを履いてぷらぷらと足を遊ばせていたり、人間のぴったり横についてみたり。  初詣の期間はたくさんの人間が来るから楽しい。  勿論、縁結びの他に、ちょぴっとずつだけどみんなに幸せの加護もプレゼントしている。  これやるとすぐお腹が空いちゃうけど、折角来てくれているからね! 大盤振る舞いしちゃうの。  私は神様。  ちょっぴり欠けてはいるけれど、この社の主で、神。  もう、大きな力はないけれど、存在が消えるまでずっとずっと縁を結び続ける。  きっとそれが私の願いで、無くした記憶の約束。 
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