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そしてハクコ様は目をぐるぐると回しながらされるがままになっていた。
…ハクコ様って、偉い神様なんだよね?
姉さん…生前と何も変わってないなぁ…。
ちなみに私の盃にもお酒がどんどん注がれている。
未成年だから飲まないけど、それでもその場の空気に酔ってしまって。
私は神社の入り口で、壁にもたれ掛かりながら風に当たっていた。
「やぁ」
暫くぼぅっとしていると、私に声を掛けてくる人物がいた。
とろんとした視界を、声を掛けて来た人物に向ける。
「…………ッ!」
一瞬で、酔いが吹き飛んだ。
そこにいたのは、私が先刻まで殺したい程憎んでいた、
そして、私が姉との婚礼を祝福した、ハクコ様で。
「はっ、はっ、はっ、ハクコ様っ!?」
「君も酔い覚ましかい?」
「はっ、はいっ!」
「僕も酔い覚ましにねぇ。
いやぁ…まさかリンにあんなにお酒を飲まされるとは…」
「もっ、申し訳ありませんっ!
まさかハクコ様相手にあそこまでするとは私も思いもしなくて…っ!」
「ああ、気にしなくて良いんだよ。
僕はそんなリンを愛しているから、こうして婚礼をした訳だし」
「…ハクコ様、あの、一つ質問をよろしいでしょうか?」
「僕に答えられる事なら、なんでも構わないよ」
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