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僕達の様な人の理を外れたモノはどうしても災いを呼ぶって言われてしまうし…実際、災いを呼ぶモノも存在するのは確かだから。
それで、僕がリンと知り合った経緯だけど…うん、そうだね。
君はリンの妹だ。…お姉さんの事を、知っておいても良いかもね」
「…姉さんの…事?」
私は、姉さんの妹だ。
これ以上、いったい何を知ると言うのだろう?
ハクコ様は懐から煙管を取り出し、私に同意を求める様に掲げて見せる。
私がこくんと頷くと、ハクコ様は煙草の葉とマッチを取り出し、煙管に葉を摘め、マッチで火を着けると、フゥと紫煙を吐いた。
「…君のお姉さんはね、少し特殊な魂をしているんだ。
リンから聞いた事は無いかい?人ならざるモノを見たとか、人ならざるモノと話したりとか」
「…………あります」
確かに。
確かに、姉さんから聞いた事がある。
人ならざるモノを見たり、人ならざるモノと話したり…人ならざるモノに傷を負わされた事もあると聞いた。
「リンの魂は、取り込んだ人ならざるモノのチカラを強化する事が出来るんだ。
そして肉体の機能が停止し、肉体と魂が切り離されたリンは、人ならざるモノにその魂を狙われてしまった。
そうして、リンと友好な関係を築いていた先代のお狐様からリンの話を聞いていた僕が、リンの魂を保護したんだ。
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