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そのお狐様も、今回と同じ様な状況になったんだと思う」
人間と人ならざるモノとの結婚。
その労力が並大抵の物では無い事は、全く無関係な私にだって想像出来る。
どうして?
どうして、そこまで?
「はーくこー!
早く戻って来ーい!」
「はーい、今戻るよー。
…リンからの呼び出しだ。
それじゃあ、僕は行くね。
あ、ミヒロちゃんはゆっくり休んで」
「ハクコ様!
ハクコ様は、どうしてそこまでして、姉さんと結婚したのですか!?
そんなに…そんなに大変な思いをしてまで…!」
「理由は簡単だよ」
紫煙を吐きながら、ハクコ様は満面の笑みを浮かべ、
「僕は、リンを愛してる。
心の底から、リンを愛しているんだ」
ハクコ様は、躊躇う事無く、そう言った。
ハクコ様の言葉に、私は居住まいを正し、
ハクコ様の前で正座をして、
「…不束な姉ですが、優しくて、心強くて…私にとっては、とても…とても大切な姉です。
…ハクコ様。
どうか姉の事を、よろしくお願い致します」
ハクコ様の顔付が、一瞬にして変わる。
今まで、どこか頼りなさげな笑みを浮かべていた、ハクコ様だったけど、
キッと笑みを消し、居住まいを正し、正座をして、
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