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「神様、おねがいします」
今日もまた、願いに来る人がいる。
けれど、神に感謝し尊ぶ者は、現れない。
願うだけ願っておいて。
心から神を信じ、慈しむ者は、いない。
俺の隣のこの人は、今日も加護を授けている。その者の願いが叶いますようにと、幸せが訪れますようにと、痩せ細った青白い顔で。
もう、見ているのも辛いんだ。
なあ、頼むから。
どうかもう、願わないでくれ。
この人を、休ませてやってくれ。
この美しい神様を、信じて、力を与えてやってくれ。
俺には、出来ないから。
人間である、お前たちにしか、出来ないから――
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