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きまぐれ神様は、自室で下界の人間達の生き様を眺めていた。
そこに、きまぐれ神様の姉である女神様がやってくる。
「ちょっと、神様! また自分勝手に恩恵を与えてるでしょ! ちゃんと選ばないと評価が下がる一方なんだから!!」
たくさんある神様の中にも評価は存在して、善行の恩恵を繰り返す方が評価は高い。
「はぁ? ちゃんと恩恵を与えてるんだからいいだろう? そもそも恩恵自体が善行なんだから問題ないだろう? それに恩恵を与えるという仕事はちゃんとやってるんだから、何故、怒られないといけない?」
とにかく、きまぐれ神様は口が悪い。しかし、それを言い合えるのが姉の女神様だけである。
「恩恵を与える相手が問題なのよ。最近は特に女性ばっかり恩恵を与えてるじゃない。しかも、どう見ても容姿で選んでるでしょ?」
「ああ。その通りだ。魅力は大切だ。間違ってはいない」
適当に座っていた神様は立ち上がり、そう断言した。
「そうかも知れないけど、そればっかりだと、安易な選定として受け入れられてしまうわよ」
「安易な選定? 馬鹿馬鹿しい。魅力って言っても、容姿だけじゃないぞ。何かしら秀でてる人間は、それだけで魅力的だ。ただ、その魅力というのは人間自身の自信で何倍にも膨れ上がり視覚化される。そういう意味では容姿が一番分かり易いというだけだ。魅力には必ず何かしらのパワーが存在する。そこに恩恵を与える事で更なるパワーの輝きが生まれる!!」
魅力について熱く語る神様。更に言葉を続けた。
「それに選んだ女性は、姉さんに似て素敵だろう?」
「まぁ、それに関しては否定できないわね……」
その言葉を基点に、女神様の発言は収束していった。
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