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きまぐれ神様は、本日も下界の人間達の生き様を眺めていた。そこに姉である女神様が小走りでやってきた。
「ちょっと、神様! よりにもよって、悪徳中年に恩恵を与えるってどういうことよ?」
「まぁまぁ、姉さん、落ち着きなよ。これは好青年の試練なんだよ」
神様の言葉に姉である女神様は困惑した顔をする。
「とっ、とにかく、ちゃんと説明しなさい!!」
「好青年の幼馴染の美少女がいただろう? 」
人物を思い浮かべるように説明を開始する神様。
「神様が容姿だけで恩恵を与えた女性よね?」
「ああ。その二つの恩恵が共鳴して二人が出会ったんだ。あの美少女と悪徳中年が!」
それは、神様が偶然なのか必然なのか引き寄せた縁だった。
「ダメじゃない! 恋する好青年を見守るんじゃなかったの? あっ、試練ってそういうことなの!?」
「そういうこと。試練は大きい方が盛り上がるだろう? 後は、好青年の行動次第。失敗しても美少女が金持ちの恋人とか妻になるんだから問題はないだろう?」
神様は好青年を信じている訳ではないが、魅力開花のきっかけになればと思い、悪徳中年に恩恵を与えた。
「そういう問題じゃないわ! 順当に、好青年に恩恵を与えれば良かったじゃない!」
「まぁまぁ。マイナス要素はプラス要素に生まれ変わるし、プラス要素はマイナス要素に生まれ変わるもんだ。誰かがプラスの事が起これば、誰かにマイナスの事が起こる。そもそも、人間が生まれるだけで、相当なプラス要素なんだ。多少のマイナス事象は仕方がない。しかし、多大なマイナス要素を乗り越えた者こそ、多大なプラス要素を受け取る権利がある!!」
つまりは、神様は好青年に期待しているのだ。
「大ピンチになったら助けてあげるのよ?」
「それは、どうかな? 最後まで見守るかもしれない。なにせ、きまぐれ神様だからな!」
こうして、好青年は行動に神様と女神様は注目がする事となった。
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