負のスパイラル

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 結局、なんだかんだで勤続すること約3年。上の方で滞っていた退職願いがようやく届き、その会社を辞める頃には鬱病、社会性不安障害、強迫性障害、パニック障害、睡眠障害など多くの目に見えない病を患っていた。   そして、それらの病のせいなのかは分からないが友人との関係もどんどん悪化。疎遠になって最終的に一人ぼっちになった。最初は些細な言い合いだったはずなのに。何でこうなってしまったんだろうと死んでしまった今でも思う。  その後ストレス発散の場も無くしてしまった自分は余計にストレスを溜め込み、病状も時が経つにつれ悪化していった。 転職先でも上手くいかず一年足らずで退職。その次もまた同じ繰り返しだ。何度も職場を変えるのは心象が悪く、特に学歴のない自分なんかは出入りの多い会社でしか雇ってもらえなくなるのは分かってるし、できることなら辞めたくない。でもそこにいてずっと死にたいと思いながら生きていくよりかは状況が好転するかもしれない。 そう思うとそっちに賭けてしまう自分がいる。そしておそらくは失敗するんだ。わかってる。 この負のスパイラルは止まらないのだ。 おそらく私が死ぬまでずっと・・・。 そう思うと、もう生きていけなくなった。 それが私の死んだ理由だ。 ーーーーーーーーーーーーー  遠くから複数のサイレンの音が聞こえる。これはパトカーだろうか、救急車だろうか。  やがて数人の人が駆け寄ってきた。 「おい、ここだ!」 「まだかろうじて息はある!AED持ってこい!」  青い服を来て白のヘルメットを被った救急救命士であろう人達が死んだはずの抜け殻を取り囲む。  そこで悟った。あぁこれはまた死ねないのかもなと。  私は過去に何度も自殺未遂をしている。そしてその度に何度も奇跡に助けられてきたのだ。 海に飛び込んではそこらの浅瀬に流れ着き、部屋で首を吊った時は意識を失う瞬間にロープを括りつけていたカーテンレールが折れて助かった。  そして今日の場合は。 ふと視線を飛び降りてきた場所を見上げる。僅かに低かったかもしれない。
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