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この会社には何軒かの建物がある。三階建てだったり二階建てだったりその高さは様々だ。
そして私が飛び降りたのはその中でも一番低い建物。
それに加えて落ちた場所が柔らかい土だったのも、幸いしてしまった。
やってしまった。また私はこの残酷な世界で生きていかねばならないのか。
いや、これもまた自分が選んだ道か。最初の海こそたまたまだがカーテンレールは折れるかもしれないと分かっていたし今回のも落ちた地点はたまたまだが、高さを考えると(もしかすると)というのはあった。
それに本気で死のうと思えばいくらでも死ねるタイミングはあったはずだ。ナイフで腹を一刺しすれば神の力も及ばないだろうし、ぽっくり逝くことができたはずだ。
でもそれをやらなかったということは、もしかすると私は心のどこかで生きたいという矛盾を抱えているのもしれない。
様々な思いを抱えながら私は緊急処置を終え救急車で運ばれていく私を見送った。
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