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どうやって母と悪魔が知り合いになったのかと言うと、父のお墓の前で泣き続ける母の姿を見た悪魔が、母の事を不憫に思い、話し掛けたそうです。それから母は信仰心を捨て、悪魔と仲良くなったとの事でした。
悪魔と言えば、人間に憑りつき、魂を奪おうとする、悪いイメージしかありません。しかし目の前にいる悪魔は、母を気遣うとても優しい悪魔で、私の持つ悪魔のイメージとは、とてもかけ離れていました。
母を騙す為に、優しくしているのかもしれない。そうも思いましたが、私を見る悪魔の目は、とても輝いていて、優しい眼差しをしていました。
悪魔はどこからか一輪の赤い薔薇を出すと、私の前で跪き、薔薇を差し出しました。そして「私の花嫁になって欲しい。」と言いました。
これが、私と悪魔の出会いでした。
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