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 それでも悪魔は諦める事はなく、毎日プレゼントを持って、家に尋ねて来ます。そんな日々が、三か月程続いた頃でした。ある事件が起きました。母に病魔が襲い、倒れてしまったのです。「長くは持たない。」医者にそう言われました。父だけでなく、母まで失ってしまうのか。私は悲しみに暮れました。一日でも母がよくなるようにと、毎日熱心に神に祈りました。  私が母の横たわるベッドで、泣いている時の事でした。悪魔は優しく私の頭を撫で、涙を拭ってくれました。そして「母を助けてあげよう。」と言いました。  悪魔は小さな小瓶を取り出すと、中に入っていた水色の液体を、母に飲ませました。すると、真っ青で弱り切っていた母の顔に、活気が戻ってきたのです。  母はベッドから起き上がると、優しく微笑み、私を抱きしめました。そして悪魔の顔を見て、「ありがとう。」と一言言いました。  次の日、病院で母は検査を受けました。すると、「長くは持たない。」と言われていた母の体は、健康そのものになっていたのです。  私は悪魔に、母に何を飲ませたのか、聞きました。悪魔は、「特効薬だよ。」としか、言いませんでした。  何故母を助けてくれたのかと聞くと、「大切な友人であり、愛する人の大切な母親だったから。」と言いました。  皮肉な事に、母の命を助けてくれたのは、神ではなく悪魔だったのです。そして私は、悪魔に恋に落ちたのです。     
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