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〚その村に生まれた者は、相棒となる妖かしを連れて『妖しの護』として各地へ配される
妖しが危険に侵されていた時は救うために
また妖しが人の世界に仇なす時は阻止するために〛
「おい、もう自分で歩け」
最寄りのバス停からは地図に従い進む
人々の営みの町を抜けて、山へ踏み入れ暫く歩いた所で公俊はケージを置き窓を開けると中の毛玉を引きずり出した
猫だ
普通の猫の倍程の大きさはあるだろうか、茶トラに黒が混ざる三色の日本猫
「ええ~疲れる事したくねぇ」
再びケージに戻ろうとするががっちりと掴まれ、
「歩け」
「ん~」
まだグズる
「荷物の中でお前が一番重いんだ」
「この間体重計とういうモノに乗ったけど15キロしかなかったんだ、重いはずねぇ」
お前よりずっと軽い、と歩くのを拒絶する
「リウ!」
公俊の声が心なし低くなるのを感じると、リウと呼ばれた大きな猫は溜息をついて、
「はいはい、わぁったよ」
「よし」
「しかしよぉ、着いた時は大きい町かと思ったけど、これじゃあ村と変わんねぇな」
先を歩く公俊が踏んだ草の上をひょいひょいとついていくリウ
「大都会で活躍出来るって思ってたけど」
「文句言うな、ここでがっちり仕事成功させればデカイ仕事もやらしてもらえる」
「へいへい」
腕の良い護となれば、より重要な仕事を回してもらえるのだ
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