妖しの護

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口の中でゴモゴモ言う公俊に双葉はキレ気味になった 「なんなんだ?」 「いや、そのさ・・・もしもの話なんだけどさ、海ん坊を海に戻さなくっても良い方法なんてあるんかな?なんて」 「どういう事だ?」 「・・・実は」 双葉から例え話で情報を得るのは限りなく不可能だ 怒鳴り散らされるのを覚悟で、正直に全てを話した 「つまり、海ん坊を連れてきちまった直輝つうボコが海ん坊と離れたくねぇって言ってんのか」 「ま、まあ、そういう事で」 「ふん!」 双葉はふんぞり返ると、意外に手段を教えてくれた 「定期的、そうだな1週間に1度程度海水と混ぜてやりゃあ生き永らえることは可能ずら」 「海水と?」 「ああ、海水と混ぜてやりゃあ海ん坊の生命を繋ぐ事が出来る」 「けど、ここじゃ難しくないかな?」 「そういうこった」 双葉が珍しく手段を教えてくれたのは、それが不可能な事だからだったらしい 「海水が必要だっつんなら、塩水で出来ねぇか?海水よりゃキレイだし」 それまで大人しく聞いていたリウのこの台詞に、双葉の眼が一瞬にして凶悪なモノへと変わった 「ダメに決まってらぁ!海水はただの塩水じゃねえ、ほんなこんもわかんねえのか?」 長い耳をまるでムチはように使いリウをタコ殴りにした     
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