妖しの護

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ならば今、自分の口から話してしまった方が良い、と昨日から起こった事を話した 「警察を呼ばれた?」 怒りを抑えるように足をタンタンと鳴らし始める双葉 「んで、逃げる時にゃ人間の頭上越えしたってか?」 ハアア、と大きな息を吐いて、 「警察から逃げ切ったんは良い、捕まったって誰も迎えになんぞ行けねぇからな」 そこは眼を瞑ろうとした上で、 「おめぇは樹海育ちで野猿並の体能力っつうのを忘れんな!」 やっぱり怒鳴られた なので、もう1つはかなり躊躇した 「あと、1つ・・・」 それでも、報告しておかなくてはならないだろう 「おい?沙耶の事も言うんか?」 「沙耶?」 リウの台詞に反応し、聞き返す 「黙ってる事は出来ねぇ、言っちまう」 「その沙耶って奴がどうかしたんか?」 きっと、さっきより怒鳴られる 深呼吸をしてから、 「沙耶って女の子に村の事や妖かしの事も、全部話しました!」 「なに?」 双葉の声が静かなのが驚きだが、落ち着いているようならこのまま話そう、と続けた 「土地神様の祠で会った女の子で、今回の事も手伝ってもらった」 「他の誰にも話さないって約束してくれたし」 「・・・・・・」 「今日直輝、その海ん坊と一緒にいる子供だけど、話が出来たんも沙耶のおかげだし」 黙ったまま、眼をそらさない双葉     
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