20人が本棚に入れています
本棚に追加
祈り ~君に幸あれ~
___もう、なにもかも嫌になった。
___学校へ、行きたくない。
___死にたい・・・・
勇生はLINEのホーム画面のステメにたった今、書き込みをした。
ホーム画面のステメは、LINEで繋がっている人間ならだれでも見ることができる。
これまでも何度も、何度も・・・このステメを利用してメッセージを配信してきた。
そう・・・・・
事の起こりは1週間前。
2か月付き合った彼女から、突然別れ話を切り出された。
たった2か月・・・されど2か月。
勇生にとっては、幸せで大切な時間だったのだ。
当然、その時間はこの先ずっと続くものだと信じていた。
まだ話し合えばなんとかなるかもしれない・・・そんな小さな期待を持って学校へ行った勇生の目に映ったものは・・・・・。
他の男と親し気に寄り添う彼女の姿だった。
瞬間、勇生のなかで何かが弾け飛んだ。
胸の中に流れ込むドロドロとした感情。
彼女への未練が、微塵の欠片も残さず敵意へと変わった。
それからは、LINEのステメを日に何度も書き換えた。
_新しい彼氏と、仲いいアピールされた!
_ほんとにムカつく!
_俺は二股されていた!
_たったの2か月で他の男に心変わり? 理解できない。
_俺の人生は、あいつに狂わされたんだ
書き込むたびに、LINEで繋がった友達から沢山のメッセージがきた。
果たしてLINEで繋がった友達という括りの中に、一体どれだけの本物がいるのか・・・、それでも送られてくるメッセージはどれもこれも、勇生に対する同情や励まし、そして応援だった。
_ぁあそうだ・・・俺のやり方、まちがってねぇ!みんなもいてくれるんだ。
勇生は気持ちが高揚していくのを感じていた。
最初のコメントを投稿しよう!