祈り ~君に幸あれ~

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祈り ~君に幸あれ~

___もう、なにもかも嫌になった。 ___学校へ、行きたくない。 ___死にたい・・・・ 勇生はLINEのホーム画面のステメにたった今、書き込みをした。 ホーム画面のステメは、LINEで繋がっている人間ならだれでも見ることができる。 これまでも何度も、何度も・・・このステメを利用してメッセージを配信してきた。 そう・・・・・ 事の起こりは1週間前。 2か月付き合った彼女から、突然別れ話を切り出された。 たった2か月・・・されど2か月。 勇生にとっては、幸せで大切な時間だったのだ。 当然、その時間はこの先ずっと続くものだと信じていた。 まだ話し合えばなんとかなるかもしれない・・・そんな小さな期待を持って学校へ行った勇生の目に映ったものは・・・・・。 他の男と親し気に寄り添う彼女の姿だった。 瞬間、勇生のなかで何かが弾け飛んだ。 胸の中に流れ込むドロドロとした感情。 彼女への未練が、微塵(みじん)の欠片も残さず敵意へと変わった。 それからは、LINEのステメを日に何度も書き換えた。 _新しい彼氏と、仲いいアピールされた! _ほんとにムカつく! _俺は二股されていた! _たったの2か月で他の男に心変わり? 理解できない。 _俺の人生は、あいつに狂わされたんだ 書き込むたびに、LINEで繋がった友達から沢山のメッセージがきた。 果たしてLINEで繋がった友達という括りの中に、一体どれだけの本物がいるのか・・・、それでも送られてくるメッセージはどれもこれも、勇生に対する同情や励まし、そして応援だった。 _ぁあそうだ・・・俺のやり方、まちがってねぇ!みんなもいてくれるんだ。 勇生は気持ちが高揚していくのを感じていた。     
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