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ちょっと聞いてくれ。俺、高良 煌生の最近の悩み…つうか愚痴。
俺は今同じ部活の先輩に絶賛片想い中。その先輩っていうのがこの美人、長谷 真理さん。初対面のときマリさんって読んじゃって怒られたんだけど、まあそんときに一目惚れしたわけよ。
でね、超鈍感なこの人に俺は毎日毎日アピールしまくって取り敢えず仲よくはなってきてる(はず)…なんだけど、邪魔者発生。
それが同い年の峰 空汰!コイツ、やたら愛想売ってんなーって思って見てたら、ある日突然俺と長谷さんの間に割って入ってくるようになった。しかも長谷さんは空を可愛がるし、俺には素っ気ないしで意気消沈…することなく、長谷さんを振り向かせるべく日々猛進中!
「長谷さん!今朝ぶりです」
「おう。…それ、何持ってんの?」
「お菓子。期間限定って書いてたから…長谷さんにあげる」
「…女子に貰ったんだろ?」
「え、違いますよ。購買で昼飯買うついでに買ったんです。長谷さん好きそうだと思って」
「ふぅん。まあ、そういうことなら貰うけど」
「どうぞ!」
ぶっきらぼうな癖に耳を少し赤くして受けとる。そういうとこが可愛くてたまらない。
「どうスか?」
「んまい」
「ふふ、よかった」
笑うと、顔を背けられた。照れ屋さんだなあ、そんなとこも可愛いけど。
(長谷さん顔赤い…)
二人の背中を眺める。俺はパッと笑顔を作って、いつも通り二人の間めがけて駆け出した。
「長谷さん!」
そんな顔しないで。俺の方も向いてよ。
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