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「おはようございまーす…」
「空!お、おはよう」
「あ、ケンゴさん。ざす」
「あれ、空来たんだ」
「長谷さん!おはようございますっ」
いや、ケンゴさんに対して適当かよ。でも先輩方は皆、空に絆されてるからなあ…。特にケンゴさんはゾッコンって感じ?あの人もちょろいな~。
「長谷さん相変わらず腰細いっスね」
「これから太くなるし」
「ええ?デブんないで下さいよ」
「筋肉だよ!」
「はは、相変わらず煌生は長谷大好きだな」
「そっスよ。俺、長谷さん愛してるんで」
「なっ…お前はまたそういうこと!」
「ははっ!愛されてんなあ~長谷」
ストレッチついでに抱きつく。周りの先輩方に冷やかされても気にしない。長谷さんには殴られたけど。
「長谷さんキャッチボールしよ」
「タメ口使うな。空、キャッチボール頼む」
「えっ、いいんですか?わーい、お願いします!」
「あっちょっと長谷さん!先誘ったの俺ですよ!!」
「おーい、ちゃんとストレッチしろよ~」
そんな感じで今日もわちゃわちゃ練習開始。この自由でゆる~い部内の雰囲気が、俺は結構気に入ってる。
☆ ☆ ☆
部活の休憩時間。飲み物を取りに行くと、空と鉢合わせた。
「ん」
「なんだ、こーきか」
「何だってなんだよ。つうかお前、先輩方の前と態度違いすぎ」
「だってこーきにはバレてんだから、作る必要ないでしょ」
コイツは先輩とか同期とか関係なく愛想を売りまくっているが、入部してすぐに空の本性に気がついた俺は、それを指摘した。それから空は俺の前ではキャラを作らなくなった。
「まあ俺としてはその方が話しやすくていいけど。男にぶりっ子されてもキモいだけだし」
「たしかにー。でもみーんな俺のことかわいい!って褒めてくれるよ?」
「かわいいって…お前それでいいの?」
「別に、お陰さまで可愛がってもらって得ばっかりですぅ」
「計算高っ」
「こーきだって女子に王子~って呼ばれてんじゃん。全然王子ってキャラじゃないクセに」
「あれは勝手に…!」
「あっ長谷さんお疲れ様です!」
あっくそ出遅れた!でも負けねぇ。
「長谷さんっ、今日一緒に帰りましょう!」
長谷さんは、誰にも渡さない!
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