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初めましての人は初めまして、2回目の人はどーもこんにちは。煌生です。
俺の属している野球部は基本毎日朝練があるんだけど、俺はちゃんとサボらず無遅刻無欠席!すごいしょ?
それもこれも全ては長谷さんに会うため!ああほら、噂をすればあの後ろ姿は…
「長谷さん!ざーっす!」
「ぅわ!?こうきっいきなり飛び付くなよ!!」
「すみません。会えたのが嬉しくて、つい」
「なっ…またお前はそういう…!」
言いながら、耳を赤くする長谷さん。あ~今日も最高にかわいい!と、そこに副キャプテンの栗さんが通る。
「おー、今日もイチャついてんなあ」
「はいっラブラブです!」
「長谷、こんなに愛されてよかったなあ」
「…良くないですよ。いい加減離れろ、こうき」
「え~イヤです」
他の先輩方も笑って見ている、お決まりの光景。俺が長谷さんを好きなのはもはや周知の事実だ。(肝心の長谷さん本人にはいまいち本気にしてもらえないけど)
だけど、俺だって最初からオープンだったわけじゃない。むしろ男を好きになったのは初めてで、最初は絶対にバレちゃいけないと思っていた。
それがこれだけオープンになったのは、間違いなくこの環境のせいである。
まず第一に、今そこで笑っている副キャプテンの栗さんが、うちのエースと付き合っていること。それも学校中が公認で。
第二に、俺の尊敬する先輩も、男と付き合い始めたことを知ったからだ。あ、噂をすれば…。
「雪さん!おはようございますっ」
「おはようございます」
「こうき、長谷。おはよー」
雪さんが柔らかく笑う。やっぱこの人イケメンだな~。そう思っていると、ひょい、と首をかしげるようにして、長谷さんが雪さんの後ろにいる茶髪にも声をかける。
「姫もサボらず来たな」
「ヒメって言うな!」
「こら、先輩にそんな口きいちゃだめでしょ、姫」
「だから呼び方!」
「あ、ごめん。怒らないで、灯也」
「~~るせ!!」
「えっ何で怒るの~待ってよ灯也」
雪さんが姫の後を追って行く。そう、俺が長谷さんへの思いを隠さなくなったのは、この人達の影響だ。
今回はそんな雪さんと姫、二人の話を聞いてもらおう。
【#2 天然とヤンキー】
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