#2 優男とヤンキー

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 初めましての人は初めまして、2回目の人はどーもこんにちは。煌生(こうき)です。  俺の属している野球部は基本毎日朝練があるんだけど、俺はちゃんとサボらず無遅刻無欠席!すごいしょ?  それもこれも全ては長谷さんに会うため!ああほら、噂をすればあの後ろ姿は… 「長谷さん!ざーっす!」 「ぅわ!?こうきっいきなり飛び付くなよ!!」 「すみません。会えたのが嬉しくて、つい」 「なっ…またお前はそういう…!」  言いながら、耳を赤くする長谷さん。あ~今日も最高にかわいい!と、そこに副キャプテンの(くり)さんが通る。 「おー、今日もイチャついてんなあ」 「はいっラブラブです!」 「長谷、こんなに愛されてよかったなあ」 「…良くないですよ。いい加減離れろ、こうき」 「え~イヤです」  他の先輩方も笑って見ている、お決まりの光景。俺が長谷さんを好きなのはもはや周知の事実だ。(肝心の長谷さん本人にはいまいち本気にしてもらえないけど)  だけど、俺だって最初からオープンだったわけじゃない。むしろ男を好きになったのは初めてで、最初は絶対にバレちゃいけないと思っていた。  それがこれだけオープンになったのは、間違いなくこの環境のせいである。  まず第一に、今そこで笑っている副キャプテンの栗さんが、うちのエースと付き合っていること。それも学校中が公認で。  第二に、俺の尊敬する先輩も、男と付き合い始めたことを知ったからだ。あ、噂をすれば…。 「(ゆき)さん!おはようございますっ」 「おはようございます」 「こうき、長谷。おはよー」  雪さんが柔らかく笑う。やっぱこの人イケメンだな~。そう思っていると、ひょい、と首をかしげるようにして、長谷さんが雪さんの後ろにいる茶髪にも声をかける。 「姫もサボらず来たな」 「ヒメって言うな!」 「こら、先輩にそんな口きいちゃだめでしょ、姫」 「だから呼び方!」 「あ、ごめん。怒らないで、灯也(とうや)」 「~~るせ!!」 「えっ何で怒るの~待ってよ灯也」  雪さんが姫の後を追って行く。そう、俺が長谷さんへの思いを隠さなくなったのは、この人達の影響だ。  今回はそんな雪さんと姫、二人の話を聞いてもらおう。 【#2 天然とヤンキー】
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