#2 優男とヤンキー

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   雪下 誠二(ゆきした せいじ)さんは3年生でポジションはピッチャー。イケメンで誰にでも優しく、柔らかい雰囲気で性格もいい、俺の憧れの先輩だ。 「すみませーん、子供たちのために募金をお願いします」 「あっはい!暑い中お疲れ様です」 「えっ、お母さんが救急車で!?それは大変、俺が代わりにやっとくから、急いで行ってあげて!」 「ええっ歌手の丸井バツ子ちゃんからメール??悩んでるんだって…可哀想、返信しなきゃ…!」  ガシッ、と姫が雪さんの腕を掴む。 「アンタ馬鹿かっ!そんなん全部嘘に決まってんだろ!!」 「ええっそうなの?」 「いい加減学習しろ!」 「う…ごめん…。いつも姫に助けてもらってばかりだね。ありがとう姫」 「だから姫って呼ぶな!」 「あっごめんとう」 「な、名前も呼ぶなっ」 「え~じゃあなんて呼べばいいの?」 「うっせ、俺に近づくな!」 「えっ、待ってよ灯也(とうや)~」  …ちょっと、いやだいぶ天然でお人好しなのがたまに傷だけど。それでも俺の尊敬する先輩っす!
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