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美十妃はそういうと懐からけむり玉を取り出し地面へたたきつける。彼女の周りに一時的に煙幕が出現し、それが晴れた頃には、
目の前には長い黒髪を揺ら揺らとはためかせている、美女の姿が其処にあった。
これが美十妃の真の姿である。
「わー。お姉ちゃん、カッコイイ! 神様みたい」
「だから、神様なんじゃって。疲れたから戻るぞ」
そういうと一分も経たずに元の幼女の姿に戻った。
「これで、わらわが神様じゃって信じたろ?」
「うん、信じた! お姉ちゃんありがとう。またお手紙書きに行くね!」
どうやらこの少女は相談課のカードを、お手紙を書くものだと思っている。
「待ってるぞー。さて、役目を果たしたし、また戻るかの」
美十妃はまだ寝転がっている俺の手首をまた掴んで走り出した。
「いやぁ。いい仕事をしたのぉー」
相談課へ戻り美十妃は満足そうにお茶をすする。
一方の俺はバテすぎて完全にソファで撃沈していた。
「さぁて、これからもバリバリと頑張るのじゃ。な、みっちー?」
そう言って美十妃は俺にスポーツドリンクのペットボトルを差し出すのであった。
今日も。三ツ時町役場相談課は神様が皆の相談事に答えている。
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