相談課の神様

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 その1万件の相談に乗るというノルマは達成して無事神格を取り戻した美十妃は、一度はこの相談課から姿を消したのだが、俺が消える前の美十妃に『まだ二人で相談課を続けたいんだ』という今考えると凄く恥ずかしい告白を真に受け、また相談課に戻ってきてこうして人々の相談に乗っているのである。  しかし神様がお悩み相談といっても、そんなに大層なものではなく、 [Q:恋人が欲しいのですが、どうしたらいいですか? A:そんなの自分で努力せい。] [Q:欲しいものが山ほど買える位の金持ちになりたいです。何かアドバイスがあればご指南お願いします。 A:働け。]  とまぁ、凄くざっくばらんな回答しかしない大雑把なことこの上ないシステムである。  そんな大雑把な美十妃が今日は何やら真剣に相談カードと睨めっこしていた。 「どうしたんだ? そんなに真剣な顔をして」  何時になく紙に穴が空くような視線で見つめているので、心配になって美十妃が眺めている相談カードを横から見る。  すると、カードにはこう書かれてあった。 『神さまにいちどでいいから会ってみたいです』  相談カードを丸々使うくらいの大きい字から察するに小学生くらいだろうか? 相談事ではないが、神様に会ってみたいとの旨が記されていた。 「この子の願い叶えてみたくはないかのぉ?」  美十妃は相談カードをヒラヒラとさせながらニヤニヤと笑う。 「いや、別に美十妃の好きにすればいいが、そのカード肝心の住所が書かれていないぞ」     
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