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俺は生まれながらの体質で普通の人より体力が無い。だから、急に走らされるとものの数秒でバテてしまうのである。
「仕方ないのぉ。連れてくるから待っておれ」
美十妃はそういったとき、
「お兄ちゃん大丈夫? そんなところで寝てたら風邪引くよ?」
一人の少女が俺の元へとやって来た。
「お。丁度いいところに来た。君がさざなみあかりちゃんかな?」
美十妃は少女と同じ視線になるように腰を下ろして問いかける。
「うん。そうだけど、お姉ちゃんは誰?」
「わらわは神様なのじゃ。あかりちゃんがこのカードに神様に会いたいって書いてあったから会いにきたのじゃよ」
美十妃が答えると、少女はきょとんとした顔をする。
普通、美十妃みたいなことを言ったら誰でもそんな表情をするだろう。
「お姉ちゃんは絶対に神様じゃないよー」
少女はそう言って否定したのだ。
「ガ、ガビーン。本当にわらわは神様なのじゃ!! この町の守り神なのじゃ」
確かに美十妃はこの町の守り神なのだが、少女と見た目年齢があまり変わらないのでそう易々と信じてくれるわけは無い。
それに、
「神様はもっとすらっとしてカッコいいもん!」
「カッコよければ信じてくれるのじゃな? いいじゃろう。これがわらわの最終形態じゃ!!」
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