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相談課の神様
特に有名人がいる訳でも、特産品があるわけでもない、人口数千人の町。三ツ時町。
そんな町の中央にどんと建っている三ツ時町役場には、なんと神様が無料でお悩み相談を受け付けている。
「美十妃(みとき)、持ってきたぞ」
どっしりとダンボール一杯に詰め込まれた相談カードを息切れしながら台車で相談課まで持ち込んだ。
「おー、みっちーご苦労じゃったぞー」
相談課に入れば、ショートヘアのちんちくりんな幼女がテトテトとコチラへと駆けてくる。
このちんちくりんな幼女こそ、町役場で相談課を開設し相談を受け付ける、三ツ時町の守り神の美十妃である。
なんで彼女が役場にて無料で相談を受け付けているかというと、面倒くさい事情がある。
彼女はまだ守り神だった時代、色々な失態を起こしてしまい、位の高い神々の怒りを買ってしまった。そして幼女の姿に変えられ、下界に落とされてしまう。
落とした神々が彼女に出した試練は、“1万件の下界の人間たちの相談に乗ること”。
試練を課せられた美十妃は、俺、剛島充(ごうしまみつる)というお世話係(むしろお世話され係)を従え、三ツ時町役場相談課を開設したのである。
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