「死神の憂鬱」

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それが何日か続いた、ある夜のこと――― 突如、母の足元に大きな影がうつり、白いベッドを覆いつくした。 「え?!」 驚いた少年がそちらを見ると、真っ黒なフードをかぶった大きな男が立っていた。 その男の背には黒い翼が生えていて、窓から差す月明かりを受けて怪しく光っていた。 少年は恐る恐る男に問いかけた。 「あなたは、だれ?」 「私は死神です」 「死神…」 少年の顔が蒼白になった。 とうとうその時が来てしまった。 死神がママを迎えに来たんだ。 少年はそう思って死神に尋ねた。 「連れて行くの?」 「そうです」 「やめて!お願いだから連れて行かないで」 少年は大粒の涙をぽろぽろと零しながら、死神に言った。
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