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雀の町巡り
◇
眩しい朝日。
今日だけの光。
◇
雲間から、光が飛び出す。
町の公園に、三羽の雀が空から降り立った。
「みんな!」
「元気に!」
「おはよ!」
雀たちはチュンチュンお喋りする。
公園には散歩をする人、運動をする人がいる。せっせとゴミ拾いをしている人もいる。
「毎日ここに来る人たちかな」
「うん」
「そうだろうね」
三羽はしばらくの間、公園に留まる。砂場で寝転び、噴水で水浴びをし、植わっている花々の中で遊ぶ。それから飛び立つ。
空から見えるのは、学校へ向かう子供たちと、勤務先に向かう大人たち。人々が慌しく四方八方に行き交うのが、朝の光景なのだ。
これから決められた日課をこなそうとする人々の顔色は多種多様で、上機嫌な顔、不機嫌な顔、寝惚け眼の人もいれば、喜びと悲しみに満ちた人々もいる。
「たくさんの気持ちがあるわ」
「人の数だけ溢れてる」
「生きている証ね」
町を見下ろす三羽の雀たちは、チュンチュン囀る。
人家を巡ると雀たちを「しっ、しっ!」と追い払う者もいれば、温かく迎えてくれる者もいた。パン屑を撒く家主もいて、雀たちはそれを啄んでお腹いっぱいになる。そのお礼に空の歌を奏でた。
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