序章

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その少女は生まれながらして望めば何でも手に入った。 「あれが食べたい」 と言えば、民がいくら望んでも口にすることも出来ない珍しい料理がたちどころに用意される。 「綺麗な服が着たい」 そう言えば、国一番の服屋が上質の絹で作られた服を献上してくる。  誰もが自分に優しく何でも言うことを聞いてくれた。  だが誰もが羨むことを簡単に叶える事ができる少女だが、たった一つだけどんなに望んでも手にすることが出来ないものがあった。
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