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時は漢王朝末期。
栄華を誇った王朝も今は見る影もなし、愚鈍な暗君。権力を振りかざし悪政を敷く宦官(帝の世話や補佐をする者達)
そんな度重なる悪政に民達の怒りは凄まじく、その怒りはまさしく天をも燃やし尽くそうとしている。
―――世に謂う‘黄巾の乱”は目前に迫っていた。
…そんな中。此処、荊州の襄陽から少し離れた山道に一人の少年が倒れていた。
短髪の何処にでもいそうな顔立ちの少年。寝ているのか気持ちよさそうにいびきをかいている。
「……おい」
「ぐー…ぐー…」
「おいっ!!」
「あと三分…ぐー」
「?…何わけわかんねー事言ってんだ!糞ガキ!!」
「いったー!」
頭に衝撃が走り少年は一瞬で目を覚ました。
すると目の前にはサングラスを掛け、ピアスをしているおかしな格好の青年が立っていた。
鳳凰の刺繍を施している緑を強調した派手な和装の服を着ており、頭には濃い緑色の和帽を被っている。
「ったく、…何でこんなとこで寝てんだ?」
「……えっ?」
少年が辺りを見渡すと、先程とは全く違う一面の木々や生い茂る草花の光景。
空を見れば先程まで夜だった筈なのに、何故か太陽が輝いてる快晴である。
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