92人が本棚に入れています
本棚に追加
大和は言っている事が理解出来ずに首を傾げ、目の前のホウ統と名乗る青年を見上げる。
「何だ?」
ジッと見て来る大和に気付き、怪訝な表情で見下ろすホウ統。
「…ホウ統、さん?字って何ですか?」
「はんっ!…馬鹿か?」
ホウ統は鼻で笑い、口元には笑みを浮かべた。大和は真剣に聞いたのに馬鹿にされて少しイラッときたが堪える。
「だって字なんて、何か昔っぽいじゃないですか?」
「…お前、ほんとっ――…まさか…良し分かった。大和、俺と来い」
「はっ?へっ?」
大和はホウ統によってやや強引に立たせられると、ホウ統はサングラスを外して大和の両肩を手で押さえ、顔を覗き込むように鋭い視線を向けた。まるでヤ●ザの様な鋭い視線を直視できずに、大和はきょろきょろと視線が泳ぐ。
「…丁度良いしな、今からお前を師匠の所に連れて行くから。――勝手に逃げたりしたらシメんぞ?」
「!…ちょ、意味分かんないですよ!?」
只でさえ今の状況も呑み込めていないのに、突然勝手な事を言われて流石に大和は反論を試みる。
しかし「うるせぇ!」
と頭を平手で叩かれ、訳分からぬまましぶしぶホウ統に従う事にした。
最初のコメントを投稿しよう!