転移

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大和は言っている事が理解出来ずに首を傾げ、目の前のホウ統と名乗る青年を見上げる。 「何だ?」 ジッと見て来る大和に気付き、怪訝な表情で見下ろすホウ統。 「…ホウ統、さん?(あざな)って何ですか?」 「はんっ!…馬鹿か?」 ホウ統は鼻で笑い、口元には笑みを浮かべた。大和は真剣に聞いたのに馬鹿にされて少しイラッときたが堪える。 「だって字なんて、何か昔っぽいじゃないですか?」 「…お前、ほんとっ――…まさか…良し分かった。大和、俺と来い」 「はっ?へっ?」 大和はホウ統によってやや強引に立たせられると、ホウ統はサングラスを外して大和の両肩を手で押さえ、顔を覗き込むように鋭い視線を向けた。まるでヤ●ザの様な鋭い視線を直視できずに、大和はきょろきょろと視線が泳ぐ。 「…丁度良いしな、今からお前を師匠の所に連れて行くから。――勝手に逃げたりしたらシメんぞ?」 「!…ちょ、意味分かんないですよ!?」 只でさえ今の状況も呑み込めていないのに、突然勝手な事を言われて流石に大和は反論を試みる。 しかし「うるせぇ!」 と頭を平手で叩かれ、訳分からぬまましぶしぶホウ統に従う事にした。
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